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伝統町屋が残る港町【金沢市金石】で、空き家再生による地域振興(後編)


こんにちは、北陸担当の工藤です。

新年明けましておめでとうございます
本年も引き続きよろしくお願いいたします。

年明け早々、暗い話ばかりでメディアが大騒ぎしております。そのような状況下でも昨年末から今月にかけて、古家物件の決済に再生開始と、以前にも増して空き家にひとつ、またひとつと明かりが灯ってきています。

10年近く古家再生に携わってきて、変わらず最高の瞬間です。これこそ「SDGsやん!」と一人で叫んでいます。

さてさて、ここで正月前に富山のお友達から届いたカニを。

少々お値段ははりましたが、なかなかの美味でした。

美味しいものはこのくらいにして本題へ。

今回の記事は、金沢市の北西部に位置する「金石」の古家再生事例の後編です。金石の古家再生はカラーズバリューにとって、(1)金沢市北西部という新たな地域への進出、(2)地域振興への貢献、という2つの意味を持った案件です。

前編では、金石という地域の紹介と、カラーズバリューが金石の再生を行うに至った経緯について、お伝えさせていただきました。後編の今回は、いよいよ古家再生の中身を紹介していきます!

金石の再生物件(前編のおさらい)

金石の再生物件は、関東のベテラン女性オーナー様が「お宝発見!」と、ときめきを感じて購入された物件です。階段箪笥が町屋らしい趣をなしているのが、この物件の特長です。

<物件のポイント>
・金沢市が歴史的景観として指定する「こまちなみ保存地区」の金石・大野地区に所在。
・焼杉板の黒い外壁が目を引く、伝統的な町屋。
・屋内は、階段箪笥や窓手摺が町屋の趣をなしている。

<Before>築古ながらも趣を感じる空き家

物件購入時の状態は、築古戸建らしく年季が入っているものの、建具などの細部に趣が感じられる、大いにポテンシャルを秘めた物件でした。

玄関横は狭いキッチンスペースです。キッチンのステンレスは全体的に錆びついていて、新設が必要な状態でした。閉塞感のあるお風呂には、古家でもあまり見かけないほど小さな、桶のようなバスタブがあります。賃貸物件として再生するためには、お風呂の交換が必須です。

居室は1階、2階ともすべて和室のお部屋で、障子や窓手摺など建具のデザインが際立っています。「古くても、使えるものは活かす」ことは、古家再生の基本です。町屋らしい趣はそのままに、賃貸に適した住みやすい物件へのリフォームを行うことが大事です。

<After>古き良き日本文化を感じる町屋への再生

リフォーム工事を経て生まれ変わった物件は、町屋の趣を残したままに、清潔感のある、すてきな物件へと変貌を遂げました!

1階と2階の居室はあえて和室のまま残し、元々あった建具のデザインは、最大限に活用しました。壁は落ち着いた色合いにペイントする一方で、襖にアクセントクロスを用いることで、部屋ごとにデザインを変えながらも全体的に居心地のよさを感じる部屋になりました。

物件の特長である階段箪笥は、もちろん活用します。階段箪笥に経年で蓄積した汚れやほこりは、綺麗に洗うことで、よみがえります。錆がひどかったキッチンは、新しいものに入替を行いました。キッチンと、階段箪笥のある部屋の床は、建具と色を合わせたクッションフロアで、生活しやすい仕様に変更しています。

水回りは、昔ながらのお風呂を撤去して、ユニットバスを設置し、独立洗面台も新設しました。水回りのリフォーム費用は、工事総額に対して占める割合の大きなものです。しかし、水回りが清潔で使いやすいことは、賃貸住宅の大事なポイントです。必要なリフォームにお金を投じることが、賃貸需要の増加につながります。

金石の物件は、物件がもともと持っていた「町屋らしい独自の雰囲気」を活かしたリフォームによって、他の戸建物件とも差別化できる、賃貸に強い物件に再生しました。

完成物件に訪れたオーナー様からは「期待通りの見事な再生!物件にあるものを十分に活かした内装デザインで、まるで芸者さんが休んでいそうなとても雰囲気ある家になった」と、お声を頂いています。

金石は金沢市の中心地からは少し離れており、さらに、この物件には駐車場がないものの、賃貸募集を始めてすぐに入居者も決まりました。現在、賃貸により利回り15%の収益を得られています。

また、オーナー様はこの物件との出会いによって、今では金沢市でさらに3件の物件を購入し、再生リフォームして賃貸されてます。

<金石:再生物件の概要>
・床面積:67.76㎡
・物件購入価格:100万円
・リフォーム工事費用:400万円
・家賃収入:63,000円/月
・表面利回り:15%

金石地区での空き家再生促進で目指す地域振興

今回ご紹介した、金石の古家再生事例をきっかけに、カラーズバリューでは現在、金石地区で他の物件の再生リフォームも行っています。

我々の金石地区との出会いは、地元の行政関係者の「地域の人口増加を促進したい」という、強い想いを知ったことが始まりです。そこから「人口増加のためには、他の地域からの流入者を促進させることが必要。そのために、街の歴史的な景観である町屋を活かした賃貸物件は意義があるのではないか」と考え、金石地区での古家再生に踏み出しました。

古家の再生リフォームは、一件一件の積み重ねになります。

今後も我々は、空き家の再生により賃貸住宅の供給を生み出していくことで、人口増加を目指す地域振興に貢献していきたいと考えています。

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